ちょっと昔の話。
当時、勤務3年目だった私に〇△支社から転勤して間もない課長が言った。
課長「E4のコピー用紙ってある?」
私 (はぁ?)
そんなサイズ、知らない…。もしかして新規格?
さて、ここで質問です。
皆さんが、もしこのような質問を受けた時,上司に対してどのように答えますか?
A.「そのようなサイズはありません。」と、自信を持って否定する。
B.「そのサイズを知らないので教えてくれませんか?」と、素直に質問する。
C.「(課長がいた〇△支社にはあったかもしれませんが)ここでは、そのサイズは使用しておりません。」と、課長の顔を立ててE4サイズの存在を否定しない。
D. 「(課長がいた〇△支社にはあったかもしれませんが)ここでは, そのサイズは使用しておりません。」と、E4という新しい規格がある前提で回答する。
私の回答
ほとんどの方は、この中のどれかに該当するのではないかとないかと思う。(ほかにもあるかもしれないが…。)
私のこの時の回答はDだった。
今の時代は、ググればなんでも知りたいことがすぐ分かるのでDの回答なんてありえないのだが、当時は雑誌で「インターネットってなあに?」という特集記事が組まれるような時代だ。【やばい、年齢がばれる…。(汗)】
ネットで検索する環境など全くないので、すぐに答えを得る術がないのだ。知りたいことは書店や図書館へ行って調べるか、ラジオ、テレビでの情報くらいしかないので、答えは早くても数日を要することになる。
北海道、舐めんじゃねー。
「E4のコピー用紙ある?」って聞かれて、
「ああ、自分はなんて勉強不足なんだ。そんなサイズのコピー用紙があったなんて知らなかった。」と思ったと同時に、
「ふーん、課長は〇△支社に最新のコピー機があって、
そのE4サイズとやらを使っていたんだ…。」
「で、北海道支社に最新のコピー機がないので馬鹿にしてるのかな?」
「北海道、舐めんじゃねー。」とも思った。
でも、そこはこれから仲良く職場でやっていかなければならない課長様だ。
私「課長、こちらのコピー機はE4サイズは使うことができないんです。」
課長「ええっ!E4使えないの?いまどき珍しいね?そんなコピー機使ってるの?」
E4が標準装備だと言わんばかりだ。また、馬鹿にしてる。チクショウ。
コピー機前に課長を置き去り
ここのコピー機では、E4サイズはコピー出来ないと伝えたので、私は課長を残して自分の席の戻った。
諦めきれない課長は、まだ、コピー機の前でうろうろしている。
「だから、E4は無理なんだって。」と心の中で呟きながら仕事を始めた。
なんとE4サイズのコピー用紙は存在した
仕事を始めて1~2分経ったときだった、
課長「なんだ、ウサピリカさん(←ホントは私の苗字です。)、E4ここにあるじゃないの。」
(ほえっ!マジ? 誰が買ってきたの?)
(E4ってどんなサイズなの。知りたい…。見てみたい…。)
すぐに課長のいるコピー機の前に、小走りで駆け寄っていくと
E4のコピー用紙を手に持った課長が、私の前に差し出した。
課長「ほら、これがE4のコピー用紙だよ。覚えておいて。ちゃんとあったじゃない。」
見せられた用紙のサイズは、横長で縦25㎝横30㎝くらいだろうか…。
私「へえー、E4ってこんなサイズなんですね。初めて見ました。」
課長「ホントかい?」
とても驚かれてしまった。仕事のできない人間だと思われたかもしれない。
E4用紙をセットする課長!
E4の用紙を課長がコピー機のトレイにセットし始めたので、どのようにセットするのか興味津々で見ていると、何を思ったのか、A4専用トレイにセットしようとしているではないか。
私「課長!そこA4ですよ。」
課長「E4、ここでいいんだよね?」
私「いいえ、そこはE4じゃなくてA4です。」
課長「じゃあ、ここでいいんじゃないの。」
私「……。」
課長が手に持っていたE4サイズの用紙がピッタリA4専用トレイに収まった。
まじか…。A4=E4…。イーヨンってエーヨンのことかい!
訛りだったのかい!紛らわしいわ!
この課長、北海道出身なんで完全に油断していた。まさか、訛りをマスターして帰って来るとは思わなかった。
訛りを馬鹿にするつもりは全くないのだが、北海道の言葉の中に時々、1つ、2つ単語が訛るだけなので非常に分かりづらいのだ。
今までのやり取りを見ていたと思われる仕事仲間たちは、
仕事をするふりをして,下を見ながら肩を震わせていたのを今でも覚えている。
みんな冷たいなー。黙って下見て笑ってるって。早い段階で気が付いた人いると思うけど…?
私の頭の中では「A4」は縦のイメージだったので、横にしてE4サイズだと言われた時に、「ああ、そうですか。」となってしまった。後で思うとものすごく恥ずかしかった。
今でも、コピー機を前にするとたまに、この時の出来事を時々思い出す。
以上、ウサピリカのお恥ずかしい話でした。