あまりにも有名な「山怪」のご紹介です。
怖い話、不思議な話が好きな方におすすめです。
「山怪 山人が語る不思議な話」、「山怪 弐 山人が語る不思議な話」この2冊で完結だと思っていたら「山怪 参 山人が語る不思議な話」が出ていたんですね。しかも、2018年9月に発売されていたなんて最近まで知りませんでした。
近所の書店がどんどん消えていくので、ここ数年あまり書店に行っていませんでした。たまに足を延ばしてちょっと大きめの書店に行っても、この本は、なかったりするんですよね。発売されていたなんて全く気付いておりませんでした。
「山怪」とは
「山怪」「山怪 弐」「山怪 参」は現代版の遠野物語と言われている本で、筆者であるフリーカメラマンの田中康弘さんが、全国を取材し集めた山の怖い話(全て実話)が綴られています。
秋田県のマタギや各地の猟師、山で暮らす人、山で働く人から聞いた不思議な体験談を余計な脚色を入れることなく淡々と描いています。
事故で亡くなった方や山小屋などの名前、本人の了承を得られなかった方の名前は伏せられていますが、その他の登場人物は実名で書かれているので作り話ではありません。
もちろん話にはオチなどはありません。それがかえって余計に怖かったりします。
2018年8月に放送されたNHKBSプレミアムでは、「山怪」「山怪 弐」の2冊が「異界百名山~体験者が語る不思議な話」の原案になり放送されました。山には目に見えない何かがあるということで、七カ所の山を巡りながら、不思議な体験をした人々が登場し、エピソードを紹介する番組でした。
私の父親も子供の頃、山奥に住んでいたことがあり、その頃に体験した不思議な出来事を昔話のように聞かされて育った私は、この本を読んでとても懐かしい気持ちになりました。
父が体験した例では、誰もいないのに音だけする、山で子供に遭遇するが人間とは違う。山奥で「おーい、おーい。」と叫ぶ声が聞こえてるのにどこにも人がいない。こだまの声が明らかにおかしい。謎の光が動いているなど挙げたらキリがありません。
この「山怪」では、父の体験と似たエピソードが数多く出てくるので、読むたびに今は亡き父の元気な姿を思い出します。
「山怪 山人が語る不思議な話」
【内容】
Ⅰ.阿仁マタギの山 ~狐火があふれる地、なぜか全裸で、楽しい夜店、生臭いものが好き、狐の復讐、など16話
Ⅱ.異界への扉~狐と神隠し、不死身の白鹿、来たのは誰だ、もう一人いる、狐と神隠し、など18話
Ⅲ.魂との邂逅~帰らない人、死者の微笑み、迎えに来る者、ナビの策略、椎葉村にて、帰らない人、など19話
「山怪 弐 山人が語る不思議な話」
【内容】
Ⅰ.胸騒ぎの山 ~八甲田山、真夜中の行軍、怖いモノは無視せよ! 、落ちた火の玉、仏おろし、同じ夢を見る、など28話
II. 彷徨える魂 ~切りたくない木、峠に集う者、続・楽しい夜店、山の日の出来事、二度と行かない小屋、など26話
Ⅲ. 森の咆哮~ 軽トラの待ち伏せ、行ってはいけない、消えた友人、黒い山、一人だけに聞こえる、不気味な声、など24話
「山怪 参 山人が語る不思議な話」
【内容】
Ⅰ. 戸惑いの森~優しい狐と幻の椿、浮き上がる人 、魂との遭遇 、森へ消えた飛行兵 、ミミズ素麵と小さな人、など31話
Ⅱ.闇へ続く道~座敷わらしと山の神 、追いつけない鈴音 、片品村の出来事 、引き寄せられるバイク 、案内される人、など27話
Ⅲ. 霊域の生活~火の玉ラッシュアワー 、ツチノコの里 、追いかけてくるモノ 、犬と百人一首 、不思議な相談、山から出られない人、など16話。