自宅の庭が比較的大きな公園に面しているため、毎年カラスの子育てを目にすることができます。
中でも子ガラスの飛行訓練は、一大イベントです。
自分より一回り小さな子ガラスたちを従えて、親カラスたちは 我が家の屋根を勝手に足場として使用しています。そんなカラスたちを見ていて印象に残った出来事がいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
関連記事↓↓↓
我が家の屋根が飛行訓練の足場
うちの屋根が、公園の木々と共に飛行訓練の足場になっているようで、時期が来ると「カァー、カァー。」と鳴きながら屋根を歩き回る音が聞こえてきます。
公園の木から木へ、そして我が家の屋根の上に何度も行ったり来たり。
親がお手本として飛んで見せたり、横で飛ぶのを見守ってみたり…。とても熱心に教えている姿は、人間とそんなに変わらないですね。
子ガラスは、恐怖心と戦いながらの訓練です。必ずしも順調な訓練ではありません。親ガラスに飛ぶのを促されているのに、なかなか飛び出すことできなかったり、時には足を踏み外して地面に落ちてしまうこともあります。
飛行中、よそのお宅の窓ガラスに激突して失神し、その後フラフラになって他の建物にぶつかりながら飛んで行った子ガラスもいました。大丈夫なんだろうかと、とても心配になった瞬間でした。
足を踏み外し落下する子ガラス
今まで一番、私にとって修羅場だったのが今から10年ほど前に、自宅の屋根から足を踏み外した子ガラスが落下し、二階の窓ガラスと窓用フェンスの隙間に挟まってしまった時です。
親ガラスが心配して、自宅に向ってやたら「カァー、カァー。」と、うるさいのでどうしたのかと思い、声のする方に行ってみたところ、子ガラスが挟まっているではないですか。
子ガラスも「カァー、カァー。」と、盛んに助けを求めて鳴きます。でも、自力での脱出は無理なので、やはり人間の手が必要です。
部屋の内側から私が子ガラスを捕まえて、窮屈な場所から出してあげようと手を伸ばしたところ、親ガラスが外から私を攻撃するためにやって来ます。空中からの攻撃です。仲間を引き連れて目や顔を狙ってきます。恐ろしくなり、とりあえず窓を閉めてしまいました。結果、子ガラスはまた挟まれた状態に戻りました。
どうしたもんだか悩んだ挙句、自分ではどうすることもできなくて、ご近所の女性に相談したところ、
「私、カラス平気だからやってあげる。」
意外な回答で驚きました。
この女性、私の自宅の屋根から飛行訓練する様子を見ていたそうです。話によると、親ガラスに促されて飛び出す瞬間に、恐怖心なのか飛び出すのを一瞬ためらって足を滑らせたみたいです。なんてドンくさいのでしょうW
自宅にやって来た時は、両手に軍手をはめて専門業者のような出で立ちでした。普通の方なのですが非常に頼もしく感じました。
窓を開けて子ガラス救出に取り掛かると、やはり親カラス&お仲間の攻撃は激しいので、私が傘を開いて外からの攻撃を受けないようにガードしておりました。数分間すったもんだしながら、子ガラスを捕まえて2階から空中に放ちました。
さあ、飛んでお行き!
そんな気持ちでいたのですが、あっけなく地面に落下した子ガラス。
大丈夫か心配になりました。すぐに親ガラスが子のもとにやって来て様子を伺っていましたが、しばらくすると動き出して、親と一緒に飛んでいったのでひと安心しました。
成長が遅れてる子ガラス
1羽だけ、いつまでも独り立ちできない子ガラスもいました。
最初は3羽の子ガラスと母カラスだったと思うのですが、いつの間にか2羽の子カラスは巣立ちをしたのでしょう。気が付くといなくなっていました。
飛行訓練の辺りから変な鳴き方をする子ガラスがいるなーと思っていたのですが、様子を見てみると、飛ぶのが苦手そうな成長が遅れ気味の子ガラスでした。
飛行訓練でも、鳴いてばかりでなかなか飛び立とうとしません。
いつも母親のそばを離れず、何かにつけて親に頼る気満々です。鳴き方もどこかおかしい。志村けんがふざけてカラスのマネしてるのかと思うような鳴き方でした。
餌を捕るのも、親に頼りっぱなし。大丈夫なのかとこちらが心配になってしまうほどでした。
暫く親と一緒にいましたが、いつの間にか姿を見かけなくなったので巣立ちを迎えることが出来たのでしょう。親の気持ちを考えると、手のかかる子の面倒を見るのはさぞかし骨の折れることだったのではないかと思いました。
最後に
子育て中のカラスは、巣の近くを通っただけでも威嚇してきます。実際、公園を歩いている人が何人も攻撃されているのを目撃しました。
そんなカラスに対して、棒を振り回したり石を投げつけたりするのは禁物です。公園を見ていると、そのような行動とっている人を見かけます。敵とみなされて、しつこく攻撃されてしまいます。顔も覚えられているので次回通った時にも攻撃されてしまいます。
カラスが巣から木の枝を落としてきたらここには近寄るなという警告です。そういう時は、子育て中の巣には近寄らないほうが賢明ですね。
飛行訓練の観察は、これからも続けていきたいと思います。