まる「オメェー、なに近寄ってくるんだよ、やんのかコラ!」 ヽ(`Д´)ノプンプン
さっきまで静かに座っていたのに、近寄っただけで戦闘モード丸出しのまるちゃん。いつ突進してきて噛みつかれるかわかりません。今日は、虫の居所が悪いのでしょうか?
皆さん、こんにちは。ウサピリカです。
足が可愛いので、近寄って観察したかっただけなのに…。あわよくば、足元を触ってみるとか…。
触られるのが大嫌いなので、足の爪を切るのも一苦労します。なので、我が家では、病院に定期的に通ってカットしてもらってます。家でカットすると暴れるんですよ。ウチのまるちゃんは…。
無理に押さえつけると骨折する可能性もあるので諦めました。おとなしくしてもらえるコツは、いろいろ試してみましたがムリです(^^;)
骨折で思い出したのですが、数年前に、北海道の限られた地域のみに生息しているエゾナキウサギの骨格の標本を初めて見た時のことです。あまりにも細くてびっくり。もう、針金のような骨の太さでした。成体でも手のひらに乗ってしまうくらいの小さいうさぎです。
「うさぎは、1mの高さから落ちただけでも骨折するんですよ。」と、まるを見ていただいた病院の先生から説明を受けたことがありますが、標本を見てなるほどと納得してしまいました。
ウチのまるちゃんも種類は違うけど、同じうさぎなのでやはり極太針金くらいの太さかなと勝手に想像しています(笑) 大事に扱ってあげなければ…。エゾナキウサギの骨格の標本を見て心に強く誓いました。
こちらが、手のひらサイズのエゾナキウサギ。↓↓↓↓↓↓
ネズミのように見えますがうさぎです。小さくてメチャクチャ可愛いですよね。
普通のうさぎと違うところは鳴くことが出来ることなんです。「キチッ、キチッ。」と鳴きます。それと、耳ですね。普通のウサギと比べてとても短いですよね。なぜ短いのか、その秘密も含めて今回は、小さくて可愛いエゾナキウサギをご紹介したいと思います。
エゾナキウサギとは
- ウサギ目・ナキウサギ科・ナキウサギ属の草食哺乳類で、キタナキウサギの1亜種に該当します。学名はOchotona hyperborea yesoensis。発見は1928年10月で北海道常呂郡置戸町で害獣として捕獲される。日本には北海道だけに生息する。
- 環境省レッドリストと北海道レッドリストでは、準絶滅危惧に指定されている。
- 氷河期の頃にユーラシア大陸から北海道へやって来たが、氷河期が終わり氷が解けると戻れなくなってしまった。エゾナキウサギが生きていくのに快適な気温12℃前後の環境を求めて、北海道の高山に移動した。
- 体長は10㎝~20㎝、体重60g~150㎝、尾は5㎜~7㎜で長さ10㎜の体毛に覆われている。耳は丸形で小さく長さは2㎝。この小さな耳のおかげで岩場の狭い隙間に潜り込むことが可能となる。片手に乗ってしまうサイズ。
- 声を出して鳴くことができる。(私たちが知っている普通のウサギは鳴かない。)
エゾナキウサギの生息地
- 北海道の北見山地(北海道北東部),大雪山系(北海道中央),日高山系(北海道中央南部),夕張山地(北海道中央・日高山系の西側)の山岳地帯に生息。
- 北限→北見山地の渚滑岳のやや北
- 南限→日高山系のほぼ南端、豊似岳南東の三枚岳
- 東限→斜里郡置戸町勝山付近
- 西限→夕張岳
- 標高600m~800m以上の高山に生息するといわれるが、レアケースも含めると標高50m~2300mの広い範囲にわたる。特に多いのは1500~1900m。高温に弱く、寒冷な気候に生息。エゾナキウサギが生きていくためには12℃前後の気温が必要なので、標高50mでも12℃が確保できる環境であれば、住むことが可能と思われる。
エゾナキウサギの棲み処(すみか)
- 露岩帯といわれる岩石が地表から露出しているところや ,ガレ場といわれる岩礫が積み重なったところ、あるいは、その上にできた森林の岩の隙間に巣をつくる。
- 危険が迫った時にすぐに逃げられるよう岩の下にはたくさんの出入口がある。
- 冬場の食べ物を岩場に貯蔵する。(貯食)
- 冬眠はしない。貯蔵したものを食べたり、雪の下にトンネルを作って草木を食べたりする。
エゾナキウサギの食性
- 食べる物は、とても種類が多い。(花、実、葉、茎など。)
- 岩場の棲み処の中には冬の貯蔵食として木、草,シダ,コケ,キノコ類などを夏、秋頃からため込んでおく。貯食植物はおよそ120種ある。
- 地域によっては貯蔵する植物の種類に違いがある。植物が豊富にある地域のウサギの中では多いケースで20種類くらい、笹の多い地域のウサギでは笹の葉1種類のみという場合もあるようだ。ほとんどは数種類程度。
エゾナキウサギの鳴き声
- 甲高い声で鳴く。金属的な鳴き声で、鳥の鳴き声と間違えられることもある。オスは「キィッ」「キチィ」。 メスは「ピュー」「ピィーッ」
- 繁殖期のオスは「キツッ」「キツッ」「キツッ」・・・・と10回以上連続して鳴く。メスは「ピィルル・・」「ピィッ、ピィッ、ピィッ」という鳴き声を連続して発する。
エゾナキウサギの繁殖期
- 5月~7月に交尾、出産期を迎える。妊娠期間はおよそ30日。
- 出産回数は年に1~2回だが、ほとんどが年1回。
エゾナキウサギを取り巻く環境
- ダムの建設、森林の伐採、道路の建設がエゾナキウサギの個体数を減少させる原因となっている。例に挙げると、アスファルトの道路がエゾナキウサギの生息地付近にできてしまうと、エゾナキウサギの巣立ちをする際の分散を阻んでしまい個体数が減る原因となる。
- 環境省と北海道のレッドリストに準絶滅危惧として指定されているエゾナキウサギだが、その生態には、まだ知られていない部分も多い。
- 発見されるまでは、人が来ないような山奥に生息していたが人間の生活が便利になり豊かになること(森林伐採や道路の建設)と引き換えに、絶滅危惧への道を歩んでいる。
まとめ
- 氷河期にユーラシア大陸からやってきた。
- 北海道の限られた山岳地帯で、岩石の隙間に生息している。
- 冬眠はしないで、植物を貯食する。
- 食べ物を貯蔵する場所は、岩石の隙間。
- 手に乗るほど小さく、耳が2㎝ほどで小さい。
- 鳴くことができる。
- 環境省と北海道のレッドリストに準絶滅危惧として指定されいる。
- 人が来ないような山奥に生息。
最後に
それにしても、エゾナキウサギの姿を見てからウチのまるを見ると、なんとデカくて間抜けに見えることか…。「ガリバー・まる」だね!
キミには、エゾナキウサギのように厳しい自然のなかで生き抜いてゆくような力などはないんだろうな~。 自然界に放ったら、他の動物に命を狙われて、1日と生きていられないのかもしれないね。
目つきからして違うんだよね。エゾナキウサギはキラキラとした真剣なまなざし。まるは、眠気と戦う緊張感のないどんよりした目つき、‥‥違いすぎる(笑)
まあ、そんなとこも含めて可愛いんですけど…。
でも、まるちゃん、心配しなくていいよ。最後まできちんと面倒見てあげるから。
安心して今の生活をエンジョイしてくれたまえ。
以上、ウサピリカでした。