皆さん、こんにちは。ウサピリカです。
今回は、アポイ岳ユネスコ世界ジオパークのジオサイトの1つ、北海道様似郡様似町のエンルム岬をご紹介します。
エンルム岬とは
エンルムという言葉は、アイヌ語で「とんがり頭」を意味しており、岬の名前に付けられる場合が多いんです。この岬は、もともと島だった場所と陸地の間にできた砂州が陸続きになった陸繋島という地形です。
様似海岸には、ソビラ岩、親子岩、ローソク岩などの奇岩があり、エンルム岬と同じ地質の火成岩で出来ています。マグマが地層の間に入り大地が隆起する過程で、雨や風で地層が削られて現在のような奇岩になったと言われています。
エンルム岬展望台の駐車場から見えるアポイ岳。
約1,300万年前に2つの大陸プレートが衝突して出来たのが日高山脈です。その際に地下にあるマントルが突き上げられ、地表にむき出しになったのが日高山脈支稜のアポイ岳です。
アポイ岳ユネスコ世界ジオパークの範囲は、高山植物が多く特殊な自然体系を持つアポイ岳のみならず、様似の地質・地形・歴史・文化にも及びます。もちろんその中の一つ、エンルム岬もそうです。
エンルム岬・駐車場
駐車場は、岬の中腹にあります。
駐車場から眺める様似漁港。奇岩が見えますね。手前からソビラ岩、親子岩、ローソク岩です。
駐車場にある「エンルム岬」の看板。
アポイ岳について書かれています。
大雑把に説明すると、地球をゆで卵に例えるとしたら、われわれ人間が住んでいるのは殻(地殻)の部分で、厚さにして数㎞~数十㎞。アポイ岳は、その下の白身(マントル)が飛び出したものです。人類は、火星に探査機を送ることはできても、殻(地殻)の下のマントルを手にしたことはないので、ある意味、アポイの(マントル=かんらん岩)は、火星より遠い存在 なのかもしれませんね。といった内容のことが書かれています。
エンルム岬・階段
ちょっと写真が暗めで分かりづらいですが、駐車場から見る展望台への階段です。標高73m。
ちょっと急な階段です。
階段からの眺め、様似漁港。
途中、振り返ると駐車場と放送局の電波塔が目に入ります。それにしても、ちょっと怖いです。足がすくみそう…。
目が眩みそうですが、手をつきながら登ります。四つん這いです(笑)
あともう少し!
やっと着きました! エンルム岬展望台です。アポイ岳がよく見えるゾ~!
展望台は柵に囲まれ、たたみ6畳の広さもないと思います。周りにはハマナスの木が生い茂っています。
アポイ岳の反対、北西側は様似漁港です。
エンルムチャシ跡
展望台には、エンルムチャシ跡という標が建っています。
チャシとは、16~18世紀頃にアイヌが造った高い場所にある施設で、周囲には崖や濠などがあり、切り離されている場所となっています。
時代の経過と共に使用目的が変化したのではないかと考える学者が多く、最初は聖域として、次の時代にはチャランケの場として、その次の時代では、和人と闘うための砦として使用されたのではないかと考えられています。砦では、出入りする和人の船を監視していたという話も…。
※チャランケ➡アイヌ語。アイヌ社会で秩序に反する者がいた場合の談判・論議の場。罪が確定した場合は償いを行う。
展望台東南側。
展望台西側。
最後に
360度見渡すことが出来て景色が素晴らしいです。階段を上るのがちょっと怖かったですが、上ってよかったと思いました。
おかげで翌日からは、足の筋肉痛になってしまいましたが…。
パワースポットらしいです。近くにマントルが地表にむき出しになっているような場所があるくらいなので、そりゃー、パワーは凄いでしょうね。
場所
国道336号線を襟裳方面に進み、様似町本町3丁目の日高エア・ウォーター様似サービスセンターを通り過ぎます。2つ目の道を右折して道なりに進み「旅館関白」で左折します。
住所:〒058-0024 北海道様似郡様似町会所町35