皆さん、こんにちは! ウサピリカです。
先週の土曜日は引退競走馬を見学するために、北海道日高町の「ヴェルサイユ・リゾート・ファーム」へ行ってきました。
「ヴェルサイユ・リゾート・ファーム」は、サラブレットの生産・育成をしている「ヴェルサイユ・ファーム」の分場で、延べ20頭余りの引退競走馬たちがのんびりと余生を過ごしています。(2021年、ネーミングライツによりYogiboがスポンサーになりました。)
かつて日本ダービーで優勝した「タニノギムレット」やディープインパクトのライバルとして活躍した「アドマイヤジャパン」がいる牧場としても知られています。
ヴェルサイユと聞いて宝塚歌劇団を思い浮かべた方、ピンポンでございます。
ここは、元宝塚歌劇団・花組トップ娘役だった「美雪花代」さんが経営している牧場なんです。牧場を経営していたご主人が亡くなったため、その遺志を引き継ぎ頑張っているそうです。
今回は、そんな「ヴェルサイユ・リゾート・ファーム」の様子をお伝えしたいと思います。
ヴェルサイユ・リゾート・ファームの厩舎
到着後、厩舎の奥にあるカフェで見学の申し込みを済ませた後、見学を開始!
すべての引退競走馬が幸せな余生を過ごせるわけではない状況を、いち生産者として少しでも解決したいという思いから始まった「ヴェルサイユ・リゾート・ファーム」。
この厩舎は、そんな思いに共感した人々から集まったクラウドファンディングで建てられたそうです。
タニノギムレットの馬房。
アドマイヤジャパンの馬房もありました。
タニノギムレット
柵の色が違うのがお分かりですか?
1段目と2段目の柵の色が違いますよね。2段目は最近修理したと思われる柵で、「破壊王・タニノギムレット」の仕業です。後ろ足でパーンと蹴り上げて柵を破壊する癖があるとか…。今までに30本ほどやってるみたい。初めて牧場にやって来た日にも早速3本の柵を壊したそうです。結構なペースで破壊するので修理代が大変そうです。
そんなタニノギムレットさん、どこにいるのかと思ったら、ちょっとだけ破壊された柵の向こうに見えました。
また、やってしまったんですね。元気な証拠です。
名前の由来は、カクテルの名前のギムレットからだそうです。
2007年日本ダービー優勝馬「ウオッカ」のお父さんでもあり種牡馬としても大活躍しました。ちなみに牝馬・ウオッカの名前の由来は、お酒のウォッカだそうです。父より強い競走馬になってほしいという願いを込めて、父のギムレットよりアルコール度数の強いウォッカと名付けたそうです。
たてがみがワイルドなタニノギムレットさん。
日本ダービー優勝馬としての貫禄がひしひしと伝わってきます。残念ながら柵を蹴り上げる瞬間に立ち会うことはきませんでした。
ローズキングダム
名前の由来は、バラの王国だそうで「バラ一族の王子様」と呼ばれています。
2009年の朝日杯フューチュリティステークスと2010年のジャパンカップで優勝しました。
柵、美味しいですか?
王子様の品格はどこに行ったのでしょうか。
そういえばビッグレッドファームのゴールドシップも柵をガリガリかじっていたっけ…。
牧場の猫ちゃんが、私たち一家に付きまとい始めました。
そんな様子を気にとめることもなく、ひたすらガリガリするバラ一族の王子様こと「ローズキングダム」。王子様が幸せならそれでいいです!
ローズキングダムとタニノギムレットの柵の間を抜けてヒルノダムールに会いに行こうとしたところ、猫ちゃんが私たちの後を追ってくるようになりました。
猫「ヒルノダムールのところに行くなら、ついてきて。案内してあげる。」
そういわれた感じがしました。
ヒルノダムール
名前の由来は、冠名+フランス語の「愛」だそうです。
私たちが行くと近づいてきて、とても可愛かったです。
ヒルノダムールを見学している間、近くにあるベンチで待っていてくれました(笑)
エタリオウ
名前の由来は、「得たりおう。うまくしとめたとき、応戦するときに発する言葉」で、「得たり(うまくいった)、応」という掛け声から名付けられたようです。
17戦中1勝しかしていませんが、菊花賞を含め7戦で2着を取っているため、2億円以上の賞金を得ています。ファンからは「最強の1勝馬」として知られています。
この日は、なんだかそわそわして近くには来てくれませんでした。右に行ったり左に行ったりと、走ってばかりで柵の外が気になっているようでした。
アドマイヤジャパン?
小雨が降って来たので、カフェで休憩しました。
厩舎の奥には、グッズが販売されている小さなカフェがあります。見学の受け付けはここで行います。
水分補給がてらアップルジュースを注文したところ、なんとローズキングダムのコースターとカップで運ばれてきました。
夫のコーヒーは、タニノギムレットのカップ。
柵を蹴り上げ破壊しているデザインとなっています(笑)
カフェの窓からも牧場が見学できます。遠くに見える栗毛の豆粒ほどの馬は、もしかして「アドマイヤジャパン」でしょうか。2005年に京成杯で優勝し、弥生賞2着・皐月賞3着・菊花賞2着の成績を残しました。ディープインパクトのライバルの1頭でした。
天気の良い日は、ウッドデッキでYogiboに埋もれながら見学ができるようですよ。柵がないけれど、もしかしたら柵がない状態で触れ合えるのでしょうか。だったら凄いです。
最後に
毎年生まれる競走馬は7,000頭以上いますが、競馬で活躍できるのはほんの一握りの馬達です。その中でも牧場で余生を過ごすことが出来るのは、更に一握りとなってしまいます。一握りの中に入れなかった馬はどうなるのか…。想像するだけで悲しくて胸が苦しくなります。経済動物と言われればそれまでですが、お金のために馬に子供を産ませて、使い物にならなくなったり用済みになったら「ハイ、さようなら」は、あまりにも残酷です。(このようなことは、競馬界では言わないお約束のようになっているそうです。いちいち言っていたら、成り立つ商売じゃないですもんね。)
引退後の馬のための牧場は、少しづつですが全国でも増えてきているように思います。「ヴェルサイユ・リゾート・ファーム」の「リゾート」は、人間にとってではなくて馬にとっての「リゾート」の意味だそうです。このような牧場が、今後もっと増えてくれることを祈りたいです。
以上、ウサピリカでした。
場所
【ヴェルサイユ・リゾート・ファーム】