さっきまで横を向いて座っていた「まる」。
私が近づくと「なに?」「なにがはじまるの?」「なでなでしてくれるの?」「それともクッキーくれるの?」「おりんごでしかぁ~?」「なんでしかぁ~?」と期待に満ちた熱視線を送ってきます。
私の様子を見て自分に用があるんだと確信が持てるまでは、ずっとこのままの状態でいます。期待外れだととても悲しくなるからでしょうか。まるで犬の「待て!」状態で緊張の瞬間です。
でも、私が近づくのは、まるに用事がある時だけではありません。まるの前を通り過ぎて、デスクや棚に置いてあるものを取りに行くときもよくあるんです。
そんな時は、何事もなかったように前を見て座ってます。ガッカリした素振りを見せまいとする気丈なうさぎの姿は、ちょっとかわいそうな気もしますが、見ていてとてもかわいいです。まるで人間みたいですね。
そんな時は、用がなくてもかまってあげます。
私がまるをかまってあげるつもりで近づくと、とんでもない勢いで駆け寄ってきます。確信を持ったうさぎの本気モードは、私の足元めがけて突撃してくるので怖いです。踏みつけてしまいそうになるんです。
こんな時は数年前に、どこかのネイチャーセンターで見たエゾナキウサギの骨格の標本を思い出します。エゾナキウサギって北海道の特定の場所にのみ生息する手のひらサイズの小さなうさぎなんですが、骨が針金みたいに細かったんです。
ミニうさぎなので、多少は太いとは思うんですが病院で先生が「診察台から落ちると骨折することがある。」と説明する意味がよくわかりますね。
なので、まるが突進してくると踏みつけてしまいそうになるので、ヒヤヒヤものです。
そんな私の気持ちも知らず駆け寄ってきたまる。
この時は、おやつのおねだりです。なでなでしてあげてもクレクレです。仕方がないのでちょっとだけあげて、そそくさと逃げます。
気が済んだのか、気が付くと寝てました!
これで満足できましたか? まるちゃん。
今日もあんたの勝ちだよ!