搾りたて生アキロッソ

メンバー2人と1羽のうさぎが北海道から発信する共同運営ブログ

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【不思議な話】手押し車を押して歩くお婆さん

今回の話は、このブログの管理人アキロッソが大学に入学して、半年が経った頃に体験した出来事です。

 

体験談を語ってくれたアキロッソ曰く、「この話は訳ありなので、自分では書きたくない。」とのことです。私、ウサピリカが書くなら問題ないそうなので、私が書いていきたいと思います。

アキロッソ目線で書きます。

 

 

友人宅へ向かう

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その日は大学の講義の後、友達と合流し夕食を食べる約束をしていました。大学を後にした私は、歩いて15分ほどの所にある友人宅へ向かっていました。

 

途中300mほどの閑静な住宅街にある直線道路を通らなければなりません。普段から人通りの少ない道で夕暮れ時ということもあり、その日はいつにも増して物寂しい雰囲気が漂っておりました。

 

理由はわからないけど、ここの道路の雰囲気は他とちょっと違う…。普通じゃない…。

 

そんなことを考えながらぼんやりと歩いていると、前方80mほど先に手押し車を押しながら、ゆっくりと歩いてくる80代ぐらいのお婆さんの姿が見えました。

 

手押し車のお婆さん 

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あずき色の手押し車は、荷物が入るスペースが設けられているタイプのもので、お婆さんは買い物の途中のように見えました。

 

あずき色の服、黄土色のズボン、ベージュ色の帽子で腰を曲げながらゆっくりと近づいてきます。300mの直線道路のちょうど半分くらい来た地点で、そのお婆さんとすれ違いました。

 

残り150m先には丁字路があり左折して少し進むと友人宅です。丁字路までもう少しだと思いながら歩き続けていると、前方にこちらにやって来る人影が見えました。

 

目を凝らしてみると、女性のようです。「この通りで2人もすれ違うなんてめずらしいな。」そんなふうに思いました。

 

だんだんと近づいてくる人影がはっきり見えてきました。さっきのお婆さんと似たようなファッションで手押し車を押しているようです。

 

お互い徐々に近づいて、すれ違った瞬間でした、

(あれ? このお婆さん、さっきすれ違った人だ! どうして?)

そう思ったそうです。

本来なら、私の後ろを逆方向に歩いているはず。

「これは、ヤバい。」

嫌な予感が当たってしまいました。 

 

あずき色の手押し車、あずき色の服、黄土色のズボン、ベージュ色の帽子、腰も曲がっているし、まったく同じでした。

 

さっきすれ違ってから30秒前後しか経っていません。直線道路なのでその辺をうろうろして再び出会ったわけでもありません。

 

  お婆さんが仮に住宅街のワンブロックを1周回ったとして、私の前に再び登場することは時間的にまず不可能です。若い自分が急いで回ったとしても3~4分はかかる場所です。

 

なぜ短時間に同じ人とすれ違うのだろう…。気味が悪い。

 

今、後ろを振り返れば、1回目と2回目にすれ違ったお婆さんの姿が見えるはずですが、なぜかそうしてはいけないような気がして、振り返ることはしませんでした。

 
振り返ることで、何かを知ってしまうのも嫌だし、これ以上変なことに巻き込まれたくない気持ちだったので何事もなかったように、とにかく前進しました。

 

でも、内心は怖くて仕方がありません。

 

一刻も早くこの寂しい道路から離れなければ…。この先の丁字路を左折してしまえば賑やかな商店街に入るので安心できる…。急ぎ足で歩くのですが、 曲がり角までのわずかな道のりがこんなに長く感じられたことはなかったです。

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 やっと丁字路に差し掛かかったので、ほっとしながら左に曲がることが出来ました。賑やかな通りに入って安堵したのもつかの間、

 

目の前にはさっきのお婆さんがいました。

 

驚きと恐怖で、心臓がバクバクし始め、背中は凍り付くような感覚に襲われました。 こちらに向かって歩いてます

 

わずか10分の間に、3回も…。

 

驚きと恐怖で、心臓がバクバクし始め、背中は凍り付くような感覚に襲われました。でも、ここでパニックを起こしていることをお婆さんに悟られたくないので、何食わぬ顔で3回目を通りすぎました。お婆さんは、こちらの存在なんかを気にする様子もなくゆっくりと歩いて通りすぎました。

 

この時に気付いたのですが、お婆さんの存在感がとても希薄で朧げな印象だったんです。空気に溶け込んで消えてしまいそうな雰囲気でした。後で思えば、1回目、2回目にすれ違った時もそんな印象でした。

友人との約束をキャンセル

友達と一緒に夕食を食べる約束をしていましたが、この日の出来事で気力、体力が一気に激しく消耗してしまったので、友達には悪いけど予定をキャンセルさせてもらいました。まだ動揺は収まらず、これ以上お婆さんに会わないことを祈りながら地下鉄に乗って自宅に帰りました。

最後に

あのお婆さんは、おそらく買い物の途中で事故で亡くなった人。生前買い物に行くのが日課でこの道をよく利用していたのでしょう。死後間もない方か…。家族の供養がきちんとされていると良いのですが。

 

手押し車の荷物入れの中には、お孫さんへのお土産のお菓子が入っていたんでしょうか。そのような印象を受けました。

 

もし成仏できず今日も10分に3回のペースで何度も買い物に行っているとしたら、1時間に18回。1日24時間だと432回もお婆さんは買い物に行っている計算になります。

 

ひょっとして、今も手押し車を押したお婆さんがあそこを歩いているのかもしれません。